自宅にて自粛してる俳優時空の龍以、龍馬さんが先に限界を迎え、せ、整体にいきたい肩と腰の凝りがやばい、整体いかせとおせ、てうめき始める。以蔵さんは、やき自宅待機だやったーなんぞうかれて一日中帆船プラモなんぞつくっちょるからじゃ、体動かせやぼけ、とか言ってる。
この2人はすでに一緒に暮らしてるのがバレてる三世時空の俳優パロです。
で、この2人は自粛期間中、自宅から配信したりしてる。最初は以蔵さんのチャンネルと龍馬さんのチャンネルと両方あったんだけど、龍馬さんの放送に以蔵さんが乱入したり、以蔵さんの放送に龍馬さんが引っ張り出されたりするので、もはやコンビだと思われてる。
龍馬さんが配信中にイカの足を咥えた以蔵さんが、「りょぉま、おまんが隠しちゅう酒見つけたき開けるぞ」て背後のドアからぴょこって顔出して良い逃げしたのは伝説回。その後、「まってまってまってそれ僕のとっておきだから!以蔵さんステイ!ステイ!!!」て叫びながら龍馬さんが画面外に出てゆき、
その後どたんばたん音がして、若干ボロっと髪とか服とか乱れた龍馬さんが酒瓶を大事そうに抱えて戻ってきた。その後配信中こっそり酒瓶をもっていこうとする以蔵さんVSなんとしてでも酒を守りたい龍馬さんの熾烈な冷戦が始まり、来場者大喜びだった。
なんとか酒を死守した龍馬さんに、「以蔵さんには飲ませてあげないんですか?」てコメントがきて、そしたら龍馬さんがへにゃって眉尻下げて、「だってこれ一緒に飲もうと思ってたお酒なのに、以蔵さんに渡したら絶対一人で空にしちゃうんだもん」て言うので、
「一緒に飲んでやれ岡田ー!!!」などとコメントが殺到した。
「もういっそ二人で飲んだらどうですか」てコメントがきて、最初はいやいやお酒飲んで配信はまずいでしょ、とか言ってた龍馬さんなんだけど、皆から自宅配信はそれぐらい緩くても大丈夫ですよ!て言われて、それなら、て「いぞおさーん、ここで一緒に飲まない?」て誘って、
以蔵さんが、「えいぞお、つまみはイカでえいがかー?」て返事を返してくるのに、「あー…昨日の残りの肉じゃがなかったっけ、あれも食べちゃおうよ」とか、「えいよ、そいたら卵も期限が近いき、卵焼きもつけちゃる」とかドア越しに話してるので、視聴者が悶絶する。
で、しばらくしたらつまみの乗った皿とコップで両手の塞がった以蔵さんがドアを軽く蹴って、龍馬さんが開けてやり、二人でお皿並べて酒盛り始めたので、急遽晩酌配信となった。龍馬さんはひたすら、以蔵さんの肉じゃがが美味しくてね、とか、
以蔵さんの卵焼き、ぼく大好きなんだ、て以蔵さんの手料理を褒め倒し、以蔵さんはドヤドヤぽめぽめしている。視聴者はしんだ。
以蔵さんは自宅待機の合間暇で仕方がないとぼやいていたところゲームとかしないんですか、と言われてゲーム実況を始めたりしている。ゾンビと戦う系アクションゲーム。最初は操作が覚束ず、よく殺されていては「はあああ!? こんなん実際に出てきたら一撃必殺やきな!?!?」てキレてた。
ゲームよりリアルの方がつよい岡田wwwwとかコメントで草生やされてた。
それでももともと運動神経やら動体視力は人並み外れて良いので、あっという間に上達してぼかすがボスキャラ撃破しまくるようになった。が。以蔵さんは謎解きか苦手で、謎解きターンになると完全に行き詰まる。視聴者がヒント与えたりもするんだけど全然ダメ。
だんだん以蔵さんがイライラしてきてるのが視聴者にもわかるし、そろそろゲームを投げるかコントローラーを物理で投げるかするのでは、と思ってハラハラしてたら、ごん、て乱暴にコントローラー放り出す音がして、それから、「りょおまァアア!!! ちっくと来ィやァ!」て怒鳴るので、
視聴者大歓喜。やがてノックの音がしてから、そろって龍馬さんが顔出す。「どうしたの以蔵さん、大声出して。今配信中じゃなかった?」「ゲームに詰まりゆう。ちっくと知恵貸さんか。わしは頭が悪いきの」「またそんなこと言って。以蔵さんに足りないのは根気だよ」なんて言いながら
龍馬さんが入ってきて、二人並んで座ってゲーム攻略始める。仲良しか、て思いながら視聴者は見てる。そのうち以蔵さんの配信、当たり前のように隣に龍馬さんが座ってるようになった。「以蔵さん、そこ右だよ」「おん」「この敵はなかなかに強敵みたいだから気をつけてね」「誰に言っちゅう」とか。
まあそんな感じで、どっちかの配信にもいつのまにかもう一人が加わってることが多い、というのが前提。で。龍馬さんが自分の配信で、最近趣味の帆船プラモに熱中しすぎて身体中がバキバキに凝って、整体に行きたくて仕方ないんだよねえ、てボヤいてたら。
すすす、て後ろのドアが開いて、ニチャアてわろてる以蔵さんが顔を出す。コメント欄が「岡田だ!!!!かこめ!!!捕まえろ!!!!」てコメントで埋まるので、おや、て気付いて龍馬さんが振り返る。以蔵さん、今世でも普通に気配遮断できる。元アサシンの本気。
「りょおま」てもう見るからにハートマークつきの甘え声で呼ぶので、龍馬さんは見事に顔が引き攣ってる。なんかこれ無茶振りしてくるやつだ、的な。「……なぁに、以蔵さん。ぼく、配信中だからね」念のために配信中アピールもする。公共の電波に載せられないことは言ってくれるなよの意。
それ見て視聴者はわろてる。坂本さんがめちゃくちゃ警戒してる、とか予防線はってる、とか言われてる。「あんにゃあ、そがあに身体がしんどいのも可哀想やき、わしがマッサージしちゃろうか」「え、いいの?」「おんおん、えいよ」て言ってから一拍置いて、
「そんでな、お代の方なんやけんど」「あ、やっぱりタダじゃなかった」「タダなわけないろ」とかやってるので、コメント欄では「家庭内手工業(物理)」とか「家庭内援助交際」とか言われてる。「あんな、あんな、わしの愛しちゅう酒蔵がな、支援セットゆうてこじゃんと高くてえい酒を出しとってな」
「買ってもいいけど、条件が二つ」「なんじゃあ」めちゃくちゃに以蔵さんがさっきの甘え声とは一転して渋々て感じの低い声だすししわしわの顔してるから視聴者みんなわろてる。「おかだかお、かお!」とか言われてる。「僕も一緒に飲むし、つまみは以蔵さんが作ってくれる?」
以蔵さんはその条件に気が抜けたような顔して、「なんじゃ、そればあでえいがか」ていって交渉が成立する。視聴者はなんか家庭内交渉の現場をみてしまった、ぐらいに思ってたら、以蔵さんがそのまますたすた部屋に入ってきて、
「そいたら龍馬、マッサージしちゃるき、脱げや」
「エッ」
「いま、ここで???」
「おう、今ここでじゃ」
「別に後ででもよくない???」
「えいからしゃんしゃん脱げや!」
「えー……でもそんなお見苦しいもの配信で見せるわけにも」
て言ってたら、すごい勢いでコメント欄が
「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」「遠慮なさらず」
で埋まった。皆の心が一つになった。
「カメラはわしがもっちゃるき」 「えええ本当にやるの???」 「えいからはよ脱げや!」 どげしって蹴りの入る音がする。 で、以蔵さんがカメラを手に取ったのか、視界がぐらぐらゆれるカメラ。なんか頭に固定したぽい。カメラがぐるーって向き変えたところで、
なんか照れ臭そうに、しぶしぶといった感じでシャツ脱いでる龍馬さんが映るんだけど、シャツ脱いだとたんにがちっと鍛えられた筋肉に覆われた均整のとれた上半身が顕になるので、視聴者みんなヒッて声が出た。即死宝具抜かれた。
コメント欄が完全に沈黙した。
こう、シャツ着てると着痩せして見えるし、ひょろりとしてるように見えるのに、脱いだ瞬間からがちりと鍛えられた筋肉が露わになるし、胸筋からなだらかにくびれる逆三角形だし、その下はスラックスのままなのでなんか妙な生々しさとヤバい色気で完全沈黙するしかないコメント欄だった。
みんな画面の前で、「うわっ」とか「ひえっ」とかリアルで声出してたし、素早くキャプチャーツール起動してたし、友達に今すぐ配信みろ、まじ見ろ見ないと一生後悔するぞとか電話したりしてた。
その間も二人は呑気に、「しゃんしゃん寝えや」「はいはい、痛くしないでくれよ」「わしに任せえ」て言ったりしてたんだけど。龍馬さんがよっこらせ、てベッドにうつ伏せに寝て、それを背中に跨ってるらしい以蔵さんの視線から俯瞰で見下ろしており、肩甲骨の隆起や、なだらかな広背筋の陰影に、
誰からともなく拝む絵文字がコメント欄を席巻した。皆拝んだ。すごい勢いで投げ銭が飛んだ。以蔵さんが龍馬さんに買ってもらおうとしていたお酒のセットが10個は買えるぐらいの金額があっと言う間に放り込まれた。
それだけでも絶景だったのに、以蔵さんが当たり前のようにぶじゅるってオイルローションを手に出して、にゅるーって龍馬さんの背中に塗り広げたものだから、龍馬さんも「うわ!?」て驚いたように声上げたし、コメント欄もしんだ。
ただでさえうつくしい筋肉がオイルでぬらりとしてますますうつくしく、あまりの光景にコメント欄には「しんだ」という死亡報告がならんだ。
ちゃりーんちゃりーんちゃりーん、て投げ銭の音がめっちゃ響いてた。みんな画面の前で、「これはR18では?」「規制されるのでは?」「岡田にお小遣いあげたい」とか呟いてた。コメント欄はしんでた。ただただ静かに投げ銭の額だけが跳ね上がってた。
「い、以蔵さんマッサージ用のオイルまで用意してたの?」「やるならお代の分はきっちりやる主義じゃ」「本当そういうところは真面目だよねえ」とかやりとりしながら、オイルの滑りをかりながら以蔵さんが拳で圧をかけながら筋肉に沿ってぐう、と揉み解していく。
時折押し殺したように龍馬さんが息を吐くのがまたえっちくて、視聴者の皆々様は固唾を飲んで眺めながら、ひたすらおひねりを飛ばし続けた。ちゃりんちゃりんちゃりんちゃりーん。
「この辺凝っちょるのう。やき、プラモばあいじりなや、ち言うたんじゃ」「ごめんねえ…あっ、そこ気持ち良い」「ここか? うりうり」「あーーーそこそこ、最高」「ここがえいなら……このへんも、えいろう?」「あーーーーたまらんちやーーー、あ、ほんときもちい。こんなのどこで習ったの」
「按摩は昔…ほれ、じじいがおったろ」「じじい、て……あ、もしかして老師?」「ほうじゃ」「へえ、そんなのも習ってたんだ」「手合わせの後にな、身体の使い方がなっとらんだの言いよって」「へえ」「あと、燕青から習ったのあるぞ」「あー燕青くんもこういうの上手そうだよねえ」
龍馬さんの声は本当に気持ちよさそうにとろとろとしていて、ぐ、と背中に圧をかけられると押し出された呼気が掠れたように声に混じるのがあまりにも色っぽくて、みんなこの回てアーカイブされる? これ生放送だけどあとで投稿される? 保存させてほしいとか言ってる。
そこで以蔵さんがにちゃり、て笑って。「燕青から習うたのはな、按摩とはちっくと違うんやけんど」て言いながら、オイルでぬるぬるとすべるぱつりと張った筋肉の上をつーと指を滑らせ、ーーーえろい、えろすぎる、おかだのゆびがえろいとコメント欄を荒ぶらせつつーー
以蔵さんがグッと指圧の要領で親指の腹を押し込んだ瞬間に、「ぎゃ」とも「ぐえ」ともつかぬ声を上げて龍馬さんが跳ね起きたし、その勢いで以蔵さんはベッドから転がり落ちたし、画面はごろごろ回転した。
以蔵さんは床にひっくり返ったままげらげら笑っている。視聴者には天井しか見えてない。やがて、カメラを、というよりも以蔵さんを覗き込むみたいにして龍馬さんが映るんだけど、めっちゃ涙目。 「なにいまの、めちゃくちゃ痛かったんだけど」
「つぼ? ツボ押し? ツボ押しってこんなに痛いものだっけ???」「ツボ押しはツボ押しやけんど、……さすがにわしじゃああいたあのように上手くはできんにゃあ」とか言いながら龍馬さんの差し出した手を取って、以蔵さんがむくりと起き上がりーーー
「そこ押すと身体が爆散するツボち言うちょった」「そんな物騒なツボ人の体で試すのやめてくれるかな!?!?!?」「爆散せんかったな」「残念そうにいうのやめてよ!!!!」わあわあぎゃあぎゃあやってるのを聞いて視聴者はめっちゃわろてる。
押すだけで身体が爆散するツボてなに???? というかそのツボを岡田に伝授しようとしたエンセイさんて何者???? のかコメント欄ではツッコミが飛び交ってる。
ふひひ、て笑ってる以蔵さんに涙目でぷんすかして見せてた龍馬さんも釣られたようにへにゃ、て眉下げて、もう仕方ないなあ、みたいに笑うので、以蔵さん目線のカメラを通してそのやわこい笑みの直撃をくらった視聴者がしんだ。何度めかの死だった。
以蔵さんがたしたし、てシーツを叩くので、もぞもぞと再びうつ伏せになった龍馬さんなんだけど、途中ではたと気づいたように上半身ひねってふりかえり、下がり眉のへにゃ、とした顔で、「もう、痛いことはせんでね?」ていうので、雄々しい首から下の肉体美と、可愛い顔と口ぶりのギャップに、
また視聴者はしんだ。
「せんせん、今度は気持ちようしちゃるきにな」て以蔵さんが男前に言い切るので、視聴者の中の腐の心得のあるひとびとは何度めかの死を迎えたし、燃料投下ありがとうございますて拝んだし、投げ銭もした。
それ以降は以蔵さんは真面目にマッサージしてたし、龍馬さんも心底気持ちよさそうにされるがままになってた。終わったあとは以蔵さんはレンジでホットタオルまで作って龍馬さんの背中を拭いてあげた。途中、首のマッサージするときに邪魔だったので龍馬さんの髪を以蔵さんが解いてて、
体を起こしたとき、龍馬さんが普段テレビとかでは見せない髪を下ろした状態で、上半身裸という大変やべえ状態だったので、視聴者はまた安らかな死を迎えた。髪ゴム咥えて髪を結ぶ立ち姿にも、やっぱり死を迎えた。
龍馬さん、そういえば配信したままだっけ、て画面見て、コメントが拝んでたり死んでたりするのに戸惑ったし、未だかつて見たことないぐらいの額を投げ銭されていたので、流石にギョッとした。それでもへにゃ、て笑って、「ありがとう、このお金で以蔵さんに美味しいお酒買ってあげるね」て
言ってその日の配信は終わった。ぼく脱がされてるし恥ずかしいし、て理由でその日の生放送は投稿されなかったので、見損ねたファンは布を咥えてギイギイ鳴くことになった。
それから数日して。
以蔵さんがゲーム実況でもするかなあ、前にやってからいくらか間も開いたきにゃあとか考えて配信始めてたら。最初の挨拶が終わるか終わらないかぐらいのタイミングで背後の襖がスパーン!!! て凄い勢いで開かれるので、以蔵さんは座ったまま5㎝ぐらい浮いた。
「お、おおお、おまっ、開ける前に声かけや!!!」不意を打たれると結構動揺する以蔵さん。コメント欄では、今岡田浮かなかった??? とか、驚かされてからの反応がうちの犬に似てる、とか言われてるし、察しの良い視聴者は闖入者の顔が映る前からこんばんは坂本さん、て挨拶してる。
まあ実際龍馬さんなんだけれども。龍馬さんはちゃんと自分も映るようによっこらせ、と以蔵さんの隣に座って、こんにちはー、て呑気に手を振って挨拶したりしてる。人のチャンネルで実家のように振る舞う男である。以蔵さんしかめつら。「何しにきた」
「あのねえ、ほら、この前以蔵さんがマッサージしてくれたでしょう」「おん」「そのお礼にぼくもしてあげようと思って」「はい、ほいたら今日の配信はここまでちいうことで」「まって終わらせるの早くない?」 コメント欄でも逃げるな岡田、終わらせるな岡田、坂本さんと向き合え、だとか言われてる。
逃げ腰の以蔵さんのTシャツ引っ掴んで、ずりりって引っ張り戻す龍馬さん。「そんな逃げることないだろう、僕はただお礼をしにきただけなのに」「い、嫌じゃ、おまん絶対下手くそやき! まだ死にとおない!」「ひどい」思わずしんみょうな顔になる龍馬さん。
コメント欄でも、岡田ビビリすぎでは? とか言われてる。それに対して以蔵さんは、「おまんらこいたあのこつ、なんでもできるイケメンじゃと思いゆうろ! 残念じゃったなあ!? こいたあたまごを割ろうとして握り潰した男やぞ!!!!」「あれはちょっと力加減間違えただけだよ」「黙れゴリラ!」
以蔵さんが本気でビビってるのがわかって龍馬さんはしょうがないなあ、て顔して苦笑してるんだけど、ドラマの稽古中に以蔵さんがモブの斬られ役の若衆なんかとノリと勢いでわいわい力自慢でもりあがり、リンゴを握り潰せるかどうか、みたいな話をしていたときに、週刊漫画を背表紙から破けるか、とか
トランプ1セットを重ねたまま引き裂けるか、とかみたいな話をしてて。その中で一番難易度が高いのがトランプを引き裂く、ていうやつで、以蔵さんや、そのほかに何人か林檎を潰せるひとはいたし、漫画を背表紙からばりっと破れる人はいたけど、トランプを裂けるひとはいなかったのだ。
で、以蔵さんは龍馬さんをからかってやるつもりでトランプをコンビニまで買いに行って、「龍馬、おまん、トランプをな、重ねたままこう、裂けるがか?」て聞いてみたのだ。「まあ、普通の男ならそんくらいできる、っちゅー基準みたいなもんなんやと」て言って。
以蔵さんは龍馬さんが引き裂けずに「あれえ、僕、力弱い方なのかな」て言い出したら種明かししてやろうと思ってたんだけど。龍馬さんがトランプもったいなくない? とか言いながらも手をかけてーーーばりぃ!て顔色も変えずに引き裂いて、
「あ、良かった。最近特に鍛えてないから、鈍ったと思ってたけど人並み程度にはちゃんと握力あるみたい。よかったー」てへにゃへにゃ笑ったのをみて、ステゴロでこいつと喧嘩するのはやめとこ、て思うなどしたのだ。
なので、龍馬さんに悪意があろうとなかろうとその馬鹿力で、トランプみたいにばりぃッてされるか林檎みたいにゴシャアッてされるかのどっちかだと思ってるので、以蔵さんとしては龍馬さんによるマッサージなどという恐ろしいものに身を委ねるつもりはないのだった。こわい。しにとおない。
動物病院に連れて行かれるのを察したポメみたいになってる以蔵さんに、大丈夫だよこわいことはしないよ、て言うみたいに両手をひらりと持ち上げてみせて、どうどう、とか口走る龍馬さん。コメントでは「獣使いか」「調教師だ」とか言われている。
「ぼくが不器用なのは自覚あるけど、一度ぐらい試させてくれたっていいだろう? 痛かったり、苦しかったらすぐにやめるから。にゃあ」自宅配信でもあんまり出てこない龍馬さんの土佐弁にざわっとなる視聴者たち。なんだかだんだん見てはいけないものをみてるような気になってくる。
「わしがしてもろうたのがえろう気持ち良かったき、以蔵さんにもしてやりたいだけじゃ。にゃあ、えいろ。わしにもやらせとおせ。気持ちよくしちゃるき。以蔵さん、気持ちえいのは好きやろう?」「う、う、う」もう見るからに以蔵さんは懐柔される寸前といったところ。「にゃあ、以蔵さん。いけん?」
「………痛いことは、せんか」「せんよお」「がいにもせんか」「せんよ、以蔵さんを気持ちよくしちゃりたいだけやき」「……わしが痛いち言うたらすぐやめるか」「約束するよ」「………………なら、えい」小首傾げて甘えるような低く柔い声が我儘を頑と通す様子に、視聴者は皆恐れ慄いた。そして。
それ本当にマッサージの話ですよね???????
皆の心が一つになった。
一体感パなかった。
