以蔵さんの首と胴体がわかれる話。

あとさっき電車の中で閃いたネタなんだけども。以蔵さんが、「わしの首に痕が残っちゅうのは一種の呪いなんじゃなかろうか」と思い立ち、「魔女殿、ちっくとおまんの宝具でわしん首を斬ってみてはもらえんじゃろか」ってメディアさんにお願いしにいく話。

メディアさんは「厭よ、どうして私が。そういうのはフランスの首切り男に任せなさい」とか言うんだけども、以蔵さんに解呪もかねてたのんます、とお願いされて、ふと以蔵さんが意外とかわいらしい童顔であることに気づき、「じゃあその代わり一晩私に可愛がられなさい」っていって、

以蔵さん的にはメディアさん美人だし、えっちいことするのも大歓迎、ぐらいでおkしてルールブレイカーで首斬ってみてもらったら見事に首と胴体のつながりがルールブレイクされて突如以蔵さんの胴体だけが全力疾走で走りだし、床に落ちた以蔵さんの頭が「なんじゃあ……」ってなる。

メディアさんも「なんじゃあ」状態。えー、なんでああなるのよボウヤの身体どうなってんのよ……って若干ヒいてる。メディアさんにだっこされた首だけの以蔵さんも「わしにもわからんちや……」って呆然としてる。

とりあえずマスターに報告して、逃走した以蔵さんの胴体を皆で探すんだけど見つからない。ちょっと新宿のアヴェンジャーの上の人が増えてるカルデアになってる感。以蔵さんはマスターに、龍馬には内緒にしてほしい、って言うんだけどもまあ皆で探してるからそういうわけにもいかなくて。

こう、以蔵さん的には首のない自分を見て龍馬さんが落ち込んだりしたら鬱陶しいから見せたくない、という感じ。なんだけどもまあ話さないわけにもいかなくて、マスターから龍馬さんに伝える。龍馬さんちょっと顔色悪くなるけども、困ったように笑いつつ「僕も手伝うね」っていって探し出す。

で、皆で「以蔵さんの胴体やーい」って探すシュールな光景。ふと龍馬さん、物置のドアが開いてるのに気づいて中を覗く。もうすでに誰かが探した後っぽいんだけど、もしかして、と思って戸棚の一番下の引き戸をあけたら、おおよそ人間なら入ろうと思わないような狭い空間に以蔵さんの胴体がみちっと詰まってる。

思わず「ひッ」て声が出る。「い、以蔵さん……???というか胴体だけでも以蔵さんでいいのかな……、ねえ以蔵さんそこで何してるの? 皆探してるから出ておいでよ」って声かけるけど、以蔵さんの胴体は全然出てくる気配がない。

そこでふと、龍馬さんは以蔵さんの胴体がめっちゃ身を固くしてることに気づく。あ、これ怖がってるやつだ、ってなって。「以蔵さん、わしじゃ、龍馬じゃ。わかるがか」って声かけながら腕あたりに触って、安心させるようにぽんぽん宥める。

最初は身をこわばらせて縮こまってぷるぷるしてた以蔵さん(胴体)なんだけども、ふと手を彷徨わせて自分から龍馬さんに触って、ぺたぺた確かめてる感じ。それで龍馬さんは「あ、見えてないんだ」ってわかって、「ほら、触ったらわかるじゃろ。龍馬じゃ」っていって顔に触らせて、

そしたら以蔵さん(胴体)がようやく狭っ苦しい戸棚から出てきて、龍馬さんにひしってくっつく。「もう大丈夫じゃき」っていって背中撫でて宥めつつ、手をつないでマスターたちの元へと連れて行く。以蔵さん(頭)、龍馬さんにべったりの以蔵さん(胴体)に「何しとんじゃああああ!!!!」って自分にキレる。

以蔵さん(頭)は以蔵さん(胴体)と合体を試みるんだけどもなかなかうまくいかない。ついたかな、と思ってもぽろ、って落ちる。そのたびに龍馬さんの顔色が悪くなっていく。以蔵さん(胴体)は以蔵さん(頭)を怖がってるみたいに龍馬さんの後ろに隠れる。キレる以蔵さん(頭)。阿鼻叫喚。

結局その日の夜は、以蔵さん(頭)はマスターの部屋に、以蔵さん(胴体)は龍馬さんの部屋に泊まることになる。以蔵さん(頭)とマスターは普通に話してるんだけど、マスターときたま我にかえって「自分の部屋においてある生首とはなすってだいぶ絵面ヤバくない???」とか言ってる。

以蔵さん(頭)は「首のない胴体だけをあやしてる男の絵面もだいぶやばいから気にしなさんな」とかよくわからない慰めを口にしたりしてる。一方龍馬さんはべったり自分にくっついてる以蔵さんの胴体の背をぽんぽんしながら添い寝してて、聞こえてないのは知っていて、いろいろと昔話をしてる。

一緒に沢で魚とった話とか、以蔵さんが龍馬さんを庇って喧嘩してくれた話とか。最初はにこにこ穏やかに楽しそうに話してた龍馬さんなんだけども、だんだん言葉が途切れてきて、最後にはぽつ、と「ごめんねえ」って言って首のない以蔵さんの胴体を抱っこして泣き出す。「ごめんね、以蔵さん」

そこでまた以蔵さん(頭)とマスターの部屋に視点が戻って。そろそろ寝ようかっていう話をしているあたりでどんどん以蔵さんが不機嫌になっていく。マスター、びびりつつ「どうしたの以蔵さん」って聞いたら以蔵さんが腹たって仕方がないって声で「……聞こえちゅうちや」って呻いて、

「マスター、今すぐわしを龍馬の部屋に投げこみとおせ」とか言いだし、「まって以蔵さんいきなり人の部屋に生首投げ込むってものすごい嫌がらせじゃない??? 大丈夫なのそれ???」ってなる。でもやれ、ってあまりにも以蔵さんが言うので、仕方なく以蔵さんの首抱えて龍馬さんの部屋へ。

龍馬さんはマスターが訪ねてきた段階でしれっとなんでもないフリをするんだけども、以蔵さん(頭)に「バレちゅうぞ。わしには聞こえちゅう」って言われて気まずそうな顔。以蔵さん(頭)に促されて、マスターは大丈夫かな??? って心配しつつも以蔵さん(頭)を龍馬さんに贈呈。

部屋で二人きりになって、以蔵さんがため息。「ご、ごめんね……?」っていう龍馬さんに、「わしの頭がとれちょって良かったのお、これで手足が動いたらおまんなんぞぼっこぼこじゃ」とか言ってる。その間も、以蔵さんの胴体は龍馬さんにひっついたまま。それ見て以蔵さんため息。

「……げにまっこと腹立たしい話じゃ」「どういうこと?」「ふん。教えてやらん。えいからしゃんしゃん寝る支度しい」「えっ、まって以蔵さんちゃんと教えてよ」「いーやーじゃー」とかやって、龍馬さんが以蔵さんの胴体と頭を抱えて寝ることになる。「……おやすみ、以蔵さん」

「今度謝ったらドタマかち割っちゃろうと思っちょった」「ほうか」とか話しつつ。で、翌日龍馬さんが起きる頃にはちゃんと以蔵さんの頭は胴体に戻ってる。「朝餉の時間じゃ、しゃんしゃん支度しぃ」って言われて、龍馬さんは以蔵さんが待っててくれたことに気づく。

で、二人で朝ご飯を食べに行き。二人並んで朝ご飯。龍馬さんは以蔵さんが気になってちらっちら様子をうかがうんだけども、以蔵さんは黙殺。黙々と朝ご飯たべて、ごちそうさん、っていって去って行く。龍馬さん的には結局なんだったのかがよくわかってない。そこにメディアさんがやってくる。

「あなたにも迷惑かけて悪かったわね。ボウヤの頼みとはいえ、もう少し考えてやるべきだったわ」みたいな。で、「でもあのボウヤ」って小さく笑うのを挟んで、「随分とあなたのことを好きなのね」って言われて龍馬さんまたぱちくり。

「頭というのは理性を司る部位でしょう?」って言われて、龍馬さん内心「ああああああ」ってなるやつ。「理性」とか「理屈」とかで以蔵さんはいろいろ理由つけて龍馬さんにツンケンしてるけど、根っこでは今でも龍馬さんのことを慕ってて、だからこそ以蔵さんの胴体(without理性)は、

龍馬さんにくっついていて、それを良しとしていて「頭(理性)」が戻るのを嫌がっていて、以蔵さん(頭)はそれがわかったから、龍馬さんの本音、というか。龍馬さんの泣き言も聞いちゃったわけなので、いろいろ意地とか恨みとかそういうのをいったん飲み込んで素直になって

マスターに龍馬さんの部屋につれてってもらって、子どものときみたいに一緒に寝て、それで以蔵さんの中の子供心、というか。理性のない無垢な部分が満足したので首がまたつながった、っていうお話。(長い)

 

 

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