ロマダイ

明けぬ夜の先

 そのひとが家を出るのはいつだって夜だった。 幼い妹が寝付くまでは傍にいてやり、彼女がすややかに寝入った頃に静かに身支度を整えてローマを呼びに来る。「わしは帰れんかもしれんきに」 それが彼の口癖だった。 かつての故郷の闇に沈む装束に身を包み…