おっさんがびじょ。

■本編

  • 1 魔の転送石とおっさん

     その日は、俺、遠野秋良(とおのあきら)にとって特別な日になった。  ほぼサービス開始当初からプレイしていたMMO、レトロ・ファンタジア・クロニクル――略称RFC――の最新かつ最深MAP踏破へと手をかけたのだ。  今この瞬間、RFC内の攻略…

  • 2 懐かしい思い出のおっさん

     懐かしい夢を見ていた。 俺とおっさんが初めて会ったときのことだ。 その時俺はまだ高校生で、わりと調子に乗っていた。 RFCのサービス開始当初からいた俺は、その頃すで高レベル帯に属していて、自覚はなかったがそれを鼻にかけた嫌な奴になりかけて…

  • 3 おっさんがびじょ。

    「…………」 俺は自らが砂の中から掘り起こしてしまったものを見下ろして呆然とする。 踏んだ時点で若干覚悟していたとはいえ――…、まさか本当にローブの下から女性が出てくるとは思わなかった。おっさんの中身、ということで、俺はもっとインテリ然とし…

  • 4 ズルズルオバケとおっさん

    「……なんたる罠だ。性別によって装備が別な弊害か。くそう」 もそもそと呻きながら、だいぶサイズの合わない召喚士装備と戦っているイサトさん。 先ほどは彼女が立ち上がった瞬間ズボンが落ちる、というド○フ的ラッキースケベに遭遇してしまった。 とい…

  • 5 キレる若者とおっさん

     日暮れ前に俺たちがたどりついたのは、砂漠の東端にあるカラットという村だった。  辺境の村らしく、俺たちのような冒険者が訪れるのは珍しいのだといってわいわいと俺たちを物珍しそうに囲んでくれた。  それをキリの良いところで振り切って、俺とイサ…

 

 

 

 

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