死して先に実るものの名を、

  • 1 再会

     置いていかれた。 捨てられた。 自分の価値を否定された。 見捨てられた。 薄暗い牢獄で、 引きずり出された厭になるほど明るい青空の下で、 いつだって以蔵が最後まで助けを求めたのは坂本龍馬という男だ。 ずっと心の中で、きっと龍馬だけは自分を…

  • 2 以蔵さんがやらかして龍馬さんが泣く話。

     カルデアという場所は、どこもかしこも真っ白で、清潔で、以蔵はそんな場所に自分がいることにとんでもない違和感を覚えることがある。 召ばれて来たのだ、人斬りとしての力を必要とされたのだと自分を鼓舞してみても、どうにも場違いな気がしてしまう。 …

  • 3 カルデアのマスターが幼馴染の距離感に大いに戸惑う話。

     このカルデアにおいて、マスターと呼ばれる青年は落ち着かない気持ちのままそわそわと部屋で待機していた。 以蔵に渡そうとした聖杯が暴走し、極小の特異点じみた空間を作り上げてしまってから数時間。 すでに危機は脱したと報告は受けている。 聖杯から…

  • 4 以蔵さんと龍馬さんが大暴れしたあげくどさくさ紛れに魔力供給する話

     それはある日のことだった。 マスターに呼び出された龍馬と以蔵は、レイシフトか、と管制室へと向かう。 すでに昨日の段階で、明日のレイシフトよろしくね、と話は聞いていたのだ。 龍馬と以蔵はクラスこそ異なるものの、二人の戦闘スタイルは噛み合うこ…

  • 5 死して先に実るものの名を、

     その空間は、しぃんと耳が痛くなるほどの静寂に満ちていた。 ――ここは。  瞬きの合間に、世界が切り替わった。 真っ白なカルデアの廊下から、ひたすら黒に塗りつぶされた得体の知れない空間へと。 ぱちり、と龍馬はもう一度瞬く。 今度は何も変わら…

  • 6 以蔵さんとお竜さんが仲良く殺し合う話

    「イゾー」「何じゃあ!?!?!?」 自室にて一人で過ごす静かなひと時。 刀の手入れをしていた以蔵は、突如かけられた声に軽く飛び上がると同時に手にしていた刀をその声の主へと向けて油断なく構えて見せた。 が、その相手がお竜だと分かればわずかに切…

  • 7 以蔵さんと龍馬さんが互いのトラウマを抉りあいつつ大暴れする話

     それは気持ちの良い晴れた日のことだった。 マスター率いるカルデア一行は、つかの間の休息を満喫していた。 本日のレイシフトの目的は特異点を解決することでも、エネミーの形となって凝った魔力を砕いて素材を回収することでもない。 ずばり、食料調達…

 

 

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